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簡易型

一口に簡易型と言っても色々ありますが、プラスチック製品の簡易型について。

プラスチック製品を大量に作る上で必要になる金型が量産型(本型)で、多数個取り(同じ製品を金型の中に数個または数十個)やセット撮り(製品として完成した時に組み合わせる物を一度に作る 例えば上蓋と本体とか電話機の子機でいえば手で持つ背面側とボタン側の半分ずつとか)の金型が有ります。製品部を作る入れ子にも焼き入れや窒化処理などの硬化させた物やメッキ加工をして成形品の表面の品質を上げたり 金型からの抜けを良くしたりと様々な工夫が施されていたりします。

量産型に対して最終製品の量産型を作る為に形や製品の組付け確認、それに伴う寸法の微調整の改造をしたりする試作型や、小ロットの製品を安価に作る為に簡易型(入れ子がアルミ等)などが有ります。(言い方の問題も有りますが 汗)

小ロットの場合、数百から場合によっては数千数万ショットになる事も有るそうです。
耐久性の問題点もあります。

これに対して数個、数十個なんて場合も御座いまして、その様な場合は削り出しなんて場合もありますが、削り出しが出来ない場合も御座います。
例えば削りではエッヂ(角)が出ないとか、加工的に無理とか変形するとか様々な問題がある時が御座います。
板材を切った貼ったとか削った部品を張り合わせて形状にするなんて試作も。
その場合、同じ物を数個数十個作る訳ですから同じ工程を繰り返して作っていたらコストがかかります。また貼った製品では強度が出ないなんて場合も。

また鋳込む材料の問題もあります。
マスターモデル(複製する物の原形)を削り出しや光造形、切り貼りしたプラスチック製品や木を元にアルミ合金や亜鉛合金を流す場合です。
この様な場合の簡易型は石膏型で対応したりします(型を壊して製品を取り出すので1製品に1石膏型みたいです)

樹脂製品(エポキシ樹脂・ウレタン樹脂・ウレタンゴム樹脂・アクリル樹脂相当の透明樹脂など)を注型材に使う場合はゴム型(シリコンゴム)を使います。(うまく使えば20個位作れるみたいです。会社によりですが)多少のアンダーカットの製品でも無理抜きが出来たりします。寸法精度や太陽の光で黄色く変色などの問題も有りますがコスト面から未だに根強い人気があります。

弊社にも石膏鋳型にも対応の減圧鋳造機能、注型材の予備脱泡(樹脂材の中に含まれる空気を取り除く事により気泡の無い製品を作る為)、そしてシリコンゴム型で行う真空注型、シリコン型の作成での脱泡などを行える名機が御座います。

今でも根強い人気の蛇の目ミシン(まさかと思う人も居ると思いますがあのミシンメーカーです)の注型機です。
私も遥か昔に丁稚修行で3か月ほど作業で使いましたが、弊社のは仕様頻度が極端に少ないみたいで、真空になる時間が早いです。これだけの美機は2度と出ないと思いますよ。

水の脱泡(意外に空気が入ってるのですよ)や作業のイメージをビデオで添付しておりますので是非ご覧ください。
丁稚で使ってた機械の攪拌はひたすら手回しだったのでモーター付きなんて天国ですわ。

http://www.endokikai.com/catalog/html/products/detail.php?product_id=4821

また、注型した物を固めるための恒温乾燥炉も御座います。こちらも使用頻度は少ないです。
使い方は色々ですよ。大きい物の余熱とか。

http://www.endokikai.com/catalog/html/products/detail.php?product_id=4825

2020年10月9日