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マイクロメーター

“micrometer” という単語は、ギリシア語の “micros”(小さい)と “metron”(測定)を組み合わせた造語である。Merriam-Webster Collegiate Dictionary によれば、この単語はフランス語から英語に取り入れられたもので、1670年に初めて用いられたとされている。そのころメートル法マイクロメートルという単位も存在しなかった。しかし、当時の人々は細かいものを測定する必要に迫られ、またそのような測定法に興味を持っていた。

マイクロメータの原型となるねじの原理を使った測定器具は、ウィリアム・ガスコイン (1612年 – 1644年)がノギスの改良版として発明した。ガスコインは、これを望遠鏡で星と星の角距離や惑星の直径を測定するのに使った。しかし、イングランド内戦が勃発するとガスコインは国王軍に参加し、マーストン・ムーアの戦いで若くして戦死した。

ジェームズ・ワットは1772年、自分用にマイクロメータのような測定器具を作った。ヘンリー・モーズリーは初の実用的なねじ切り旋盤を開発し、マイクロメータの発達に寄与している。また、1805年に自らもマイクロメータ的な器具を発明し「大法官 (Lord Chancellor)」と名付けた。

現在の形のマイクロメータは、パリのジャン・ローラン・パルメール (Jean Laurent Palmer) が1848年に発明している。このため、フランス語ではマイクロメータを palmer、スペイン語では tornillo de Palmer(Palmerのねじ)とも呼ぶ。英語圏では、1867年に Brown & Sharpe がマイクロメータを発売し、広く普及するようになった。1888年、エドワード・モーリーがマイクロメータの精度をさらに高め、複雑な実験でその測定値が正確であることを証明した。

  • 外側マイクロメータ(外径の測定)
  • 両球マイクロメータ(板厚の測定)
  • 内側マイクロメータ(一般的に5 mm以上の内径測定)
  • 3点式内側マイクロメータ
  • 棒形内側マイクロメータ(大きな内径の測定)
  • デプスマイクロメータ(深さ、段差の測定)
  • 歯厚マイクロメータ(歯車のまたぎ歯厚の測定)
  • ねじマイクロメータ(おねじの有効径の測定)

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2021年11月27日