旋盤バイト ①
旋盤バイトは、シャンクと呼ばれる胴体部分と刃先からできています。
旋削加工では、シャンクを旋盤の刃物台に取り付け、回転する加工物に刃先を接触させて加工します。
また、旋盤バイトには上から見て左に刃先がある右勝手のタイプと右に刃先がある左勝手のタイプがあります。通常は右勝手(刃先が左)のほうを使います。左勝手は加工物が長い円筒形素材の外径研削をする場合など特殊な使い方をする場合に使用します。
旋盤バイトは刃先とシャンクから成り立つシンプルな構造ですが、次の3つの構造があります。
ムクバイト
刃先とシャンクが同じ素材で一体に作られた旋削バイトです。
炭素工具鋼や合金工具鋼の素材でできていることが多く、刃先を研磨すればまた使えるようになることから、「完成バイト」とも呼ばれています。
刃先を自由に成形できるので、難しい形状や特殊な切削ができますが、グラインダーや工具研削盤で刃先を成形する必要があり、それなりの技術と経験が必要です。
付刃バイト
刃先とシャンクが別のパーツで刃先をシャンクにろう付け(溶着)した旋削バイトです。
ロウ付けバイトとも呼ばれます。
付刃バイトは購入してすぐに使えません。ムクバイト同様に刃先をグラインダーや工具研削盤で成形する必要があり、初心者には扱いが難しいでしょう。
スローアウェイバイト
刃先とシャンクが別のパーツとなった旋盤バイトで、クランプバイトともいいます。
シャンクの先端に刃先(チップ、インサートともいう)をねじなどで取り付けるタイプで、刃先の切れが悪くなった場合はチップを交換するだけで何度でも繰り返し使用できます。
他のタイプのように刃先を研磨する必要がないので使い易く、スローアウェイバイトが現在の主流となっています。